7月8日の中日戦、印象に残るプレーがあった。

場面は5-5で迎えた9回の裏、二死三塁。

打席には中日代打は右の木下拓。

マウンドには4年目左腕の寺島。

この場面でヤクルトベンチは申告敬遠を指示。

木下ではなく次の大島との勝負を選択した。

大島といえば昨季は最多安打を獲得するなど通算1400安打以上の実績十分のバッターだ。

対して木下は昨季まで通算46安打の控え捕手。今季は試合時点で.367と打っているが、実績からいえば木下勝負が定石だ。

この常識を超えた采配の結末は、ショートゴロとなり、見事に寺島はピンチを脱した。

左対左を意識して大島勝負にいったというのもあるだろう。

しかし同じ場面で同じ采配をできる監督がどれだけいるだろうか。

木下を避けて大島に打たれていたとしたら、

「なんで大島で勝負したんだ」

「木下の方が打ち取れるだろう」

などとベンチが批判されることは間違いない。

逆に木下で勝負して打たれたとしても

「次が大島だから勝負に行かざるを得ない」

と周囲は納得するだろうし、

「投手を変えるにしても10回を任せるのは石山しかいない」

「連投で回跨ぎはできない」

というような言い訳も立つ。

つまり、木下勝負はベンチにとってノーリスクだ。

だが高津監督は動いた。

冷静に状況を分析した上で自らのリスクをとったのだ。

この姿は選手にどう映るだろう。

大島選手を抑えられると期待された寺島投手は粋に感じるだろうし、それ以外の選手も、自身の保身ではなく前線で最善の策を講じる監督を勝たせたいと思うのではないだろうか。

試合は結局引き分けとなったが、粘りきった上での引き分けだった。

選手との信頼関係を築きながら、仕掛け時を逃さない、

高津采配から今後も目が離せない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

ヤクルトファン歴15年の会社員。コロナウイルスの影響で馴染みの居酒屋が休業してしまい、現在は家でツマミを作っては呑んだくれる生活を送っている。